2009-01-01から1年間の記事一覧
金融機関の報酬が高過ぎるとか、アクティブ運用する投資信託の報酬の考え方とか、そういったお話をする機会があって、上手に理屈で表現できないものかなと考えてみたところ、あっさり出来た。しかも会心だ。結論から言えば、チャレンジがユニークであるほど…
「株式リターンは、どう考えても高すぎる。」 馬鹿みたいに頭のよい連中が、一体その背景にどんな構造を考えれば、こんな現実を説明できるのかと、どうしても理解できないと、問い続けてきた難問のひとつがコレだ。高すぎるってんなら買ったもん勝ちなんだな…
こういうのは、いつでも具体的に想像するのが素敵だ。我々は札も硬貨も持たず、買い物はすべて電子的に行う。一番簡単なのは、どこでも、小額でも、クレジットカード決済ができる状況を考えることだ。使ったことがないのだが、おサイフケータイでも、あるい…
クルーグマンも書いているが、トービン税は検討する価値があるように思う。そもそも評価性で主観に過ぎない「利益」に課税しようとするよりも、フローに課税する方が客観的でシンプルだろという第一印象に、その気持ちの一部は立脚している。中小零細企業が…
私的で熱狂的な勉強会を @TaejunShin @takashifc らと、繰り広げた休日はもう普通じゃなくエキサイティングで、徹底した論理のトンネルをくぐった向こう側に、隠れていた現実を見つける喜びは、いつでも他の何にも替え難いものです。今回のテーマは、Black-L…
「事業仕分け」を見ていて感じたのは、あらゆる支出は、消費か投資のどちらかだという根っこの話なのだが、もちろん、投資性のある消費だとか、消費性のある投資だとか、そんなあいまいな支出だって沢山あるわけで、両者は常に明確に区分けできるものでもな…
実は似たようなものだと思う。 自分が保有する借用証を発行してる奴が、新たに借金して、なぜか国債、しかも長期債を買わされてる状況と、自分が保有する借用証を発行してる奴が、なぜか株とか社債とか買わされてる状況と、大差ないじゃないか。どっちがひど…
札なんて要らない。 利息はつかないし、札に名前は書いていないので、最近じゃマネーロンダリング対策とかいって、額が大きいと取り扱いが面倒なだけだ。札にチップを埋め込んで、電波を受信して勝手に付利するくらいのことは、技術的には簡単そうな気もする…
中央銀行の発行する借用書だと言うと、そんなものは会計のルールに無理矢理当てはめただけだとか、そういうことを主張するひとが出てくる。が、「打ち出の小槌は存在しない」という宇宙の真理を内包するバランスシートの概念は、誰が見ても天高く突き抜けた…
そもそもなぜ「デフレを止めよ」などと、声高に叫んでいる方々がいるのか。物価が下がって一体何が悪いというのか、物が安く買えて素敵なことじゃないか。そう思っている方々も多いのではと推測するのだが、実際のところ僕もそのひとりだ。もちろん、景気の…
昨日の日銀白川総裁の講演が、実にシビれる。 きさらぎ会における白川総裁講演「最近の金融経済情勢と金融政策運営」:日本銀行 http://www.boj.or.jp/type/press/koen07/ko0911c.htm 物価下落の影響を心配する立場からは、緩やかとはいえ物価が下落を続ける…
表題のような投資の枠組みに関するご質問を、たまたま最近いただくチャンスがあったので、なるべく簡単に表現しようと考えてみた。今回用意が必要なのは、現在投資している、または新たに投資を検討している対象にかかるデータと感覚と、それから計算を支援…
ブラックに興味のある方がいるかもしれないとか、そういうことでは全然なくて、単に自分が嬉しくて先日の紹介記事*1を書いたのだが、思わぬ反応をいただいて驚き。で、また少しだけ引用してみようと。本当は古めの論文の方が、あまりにも先鋭的過ぎず(それ…
早速アマゾンで予約注文した後に、手元のコピーを開いて序文を引用してみる。 I began this research about twenty-five years ago, when Jack Traynor introduced me to equilibrium models of economic and financial markets. I was fascinated. In finan…
あまりにも嬉しいので、速報させて下さい。id:equilibrista:20090722:p2に続いて、僕のもうひとつの聖書が、こんどの春に、遂に再び買えるようになります。 Exploring General Equilibrium - The MIT Press http://mitpress.mit.edu/catalog/item/default.as…
ルームメイト田村亮子 - ホオズキの花が咲いている。 http://d.hatena.ne.jp/tell-a-lie/20091021/p1 もちろんアパートを借りて同棲する場合も別れる時は大変だろう。だが借家の場合は引越し資金がかさばるというレベルで済むが、ローンが残った分譲にはもう…
1Q84を読んでない感想 - 峰なゆかのひみつの赤ちゃんルーム http://d.hatena.ne.jp/minenayuka/20091016/1255668882 追伸・コインを投げて表が出るか裏が出るか、その確立*1は1対1だということを習ったとき、そんな理不尽な話があるかと憤慨したことを覚…
10年以上のローンはだめです - Chikirinの日記 http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20091016借金の「リスク」と銀行の「陰謀」と不動産の「価値」について - よそ行きの妄想 http://d.hatena.ne.jp/chnpk/20091016/1255704727「35年住宅ローンはリスクがある」…
配当160億円所得隠し 競馬予想プログラム会社に指摘 東京国税局 - MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/091009/crm0910091057006-n1.htm 関係者によると、同社は出走馬の血統や天候など各データを使って独自の競馬予想プログラムを開発…
将来に支払うお金がそこそこ想定できる機関投資家と違って、個人投資家に特徴的なのは、将来に支払うお金も、将来に受け取るお金も、ほとんどよくわからないことです。したがって、そもそもバランスシートの姿が、さっぱり明らかでない。資産運用は人生の一…
巨大な機関投資家は、馬鹿みたいな話だが、資産も巨大だが負債も巨大で、要するに将来に支払うべきお金がたくさんある。保険だとか年金だとかの類はどれも、その形態こそ様々だが、将来にお金を払う(かもしれない)よ、という約束だ。その集合体が、巨大な…
「国が払えばいい」「国が払うべきだ」なんて言うけど、お金がどこからか湧いて出てくるなんて都合のいいことはない。何度でも言うが、打ち出の小槌は存在しない。そういう文脈で、お金を払っているのは他人でなく、結局のところ納税者たる我々自身である。 …
通信産業:モバイルマネーの威力 JBpress(日本ビジネスプレス) http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/1826 預金口座やクレジット、保険と無縁な数十億の人々にとって、モバイルマネーは正規の金融サービスへの足掛かりにもなる。規制上の理由からM-PESAの口…
あちこちで教えていただいたのだが、テイラールールのテイラーがブログを始めたそうで、世間に向けて何か言いたくなったのだろうか。本人の名前がついたその理屈は、要するに、短期金利はインフレとGDPギャップによって決まらざるを得ないので、中央銀行は余…
ρ=1のとき A+Bのリスク > > -----------> Aのリスク Bのリスク ρ=0のとき A+Bのリスク ▽Λ / | / | Bのリスク / | / | > Aのリスク 斜めの矢印に見えますか?
すこしメカニカルに、リスク資産の相関が上昇する状況を捉えてみよう。馬鹿みたいに単純な例を考えてみたい。4つのリスク資産があって、それぞれのリターンにかかる標準偏差は20%、互いの相関は0.5だと思う。どれも1/4ずつ買うとき、ポートフォリオのリスク…
語順を変えて「金利管理制度」とした方が、日本語としては落ち着くとも思うのだが、要するに「管理通貨制度」を意識している。じゃどうしてそのまま書かないのかといえば、通貨の量は本質的なパラメターでないと思われるからだ。資金授受にかかる価格は、金…
昨年の株下落で最もショックだったのは、分散効果がうまく機能しなかった 下落時は相関が高まるというのは頭でわかっていても、実際に経験するのは大違い システムおぢさんにコメントいただいた中で、気になった部分がここでした。皆が一斉に資金を引き上げ…
金融機関だろうが事業会社だろうが、年金だろうが大学だろうが、そのリスクを評価しようと思ったら、最終的にはベータに帰着せざるを得ない*1という話をしようかなと。 BIS総裁会議が規制強化で合意、資本基準などで新ルール | Reuters http://jp.reuters.co…
ここに書く記事について、どうやら普段自転車に乗っている時間に考えていたようで、盗まれてしまって一時的に電車移動になったら、ちっとも前に進まない。で、風呂に入っている時間に考えることにしてみたのだが、どうもまだ違和感が残っている。実に困った…