2013-01-01から1年間の記事一覧

東京五輪に向けて紙幣を廃止せよ

都知事の五千万円も、銀行振り込みを避けて、足が着かないように、札束をカバンに詰め込んだわけだ。隆盛を極めるオレオレ詐欺だって、ゆうパックで現金を送らせる手口が全開である。「ビットコインは匿名性が高くて犯罪に使われる」って、お前は何を言って…

適時開示アワード2013

当第2四半期累計期間におけるわが国経済は、アベノミクスによる景気回復を背景として景気は回復に向かいつつあるものの、その影響は大企業を中心に得られているものであり、当社のような小規模経営を行っている企業にはその恩恵を得るに至ってはおりません…

ビットコインでの支払い受け付けます

これだけ話題になってるのに、ほとんど見かけないので、せっかくなので、ビットコインでの支払い受け付けます。ご相談内容は、もちろんビットコインにかかるものでなくとも。 実際に受け取った経験はありませんので、多少お手間をとらせてしまうかもしれませ…

JPX-Nikkei 400 改善案

大証と合併した東証が、日経さんとも一緒に仕事しましたよ、GPIFさんとも事前に話し合ってますよ的な、オールジャパンみんなでやろうぜ的な、競争市場どこいった感の極まりない新指数の話である。面倒なので大雑把に説明すると、「利益が出てる会社に投資し…

GPIFは解散して、全部個人に配ろう

「有識者」の皆さんは、そのドヤ顔の提案*1が失敗して、結果的に損失を出したり、獲得するはずだった利益を失ったりしても、ポケットマネーから補填してくれないんでしょ?そんなの言ったもの勝ちじゃないか。そりゃ運用屋だって仲介屋だって、自覚の有無に…

なぜビットコインは乱高下するのか

買い需要で価格が上昇するとき、ビットコイン「マイニング」が促される構造?焼け石に水とは、まさに直近の状況を形容している。端的に言って、ビットコインには「ファンダメンタルズ」が存在していない。それ、円やドルにはあるのかって?毎日バランスシー…

ロン爺「FRBは貧乏人から金を盗んで富裕層に配っている」

つい五年ほど前まで、どのようにFRBが、ロビン・フッドや鼠小僧とは逆の行動をとっているか、ウォール街の住人やFRB出身者から直接聞く機会など、まるでなかった。しかし失業率の数字を見れば、QEが平均的なアメリカ人に恩恵を与えていないことは明白である…

金融取引税の困難

当たり前の話だが、金融取引税を導入しようとするとき、課税の対象を明確にする必要がある。ところが、その中央に困難が横たわっているというのが、今日の指摘である。端的にいこう。EUでは取引額あるいは想定元本に対して、一定の税率で課税することを検討…

FRBの次の百年

昨日はQEeenイエレンが何か話した*1そうだが、非常にスマートだがカネのことには興味が小さそうにも見えるあたり、やや黒田的にも感じられると思ったわけだが、それよりもプロッサーのこちらが気になったわけです。 Speech: A Limited Central Bank (Novembe…

なぜアベノミクスは終わったのか

終わったも何も、始まっていない。日銀のアクションを政府が誇る時点で、そもそも錯誤しか感じさせないわけだが、それ以外にコメントすべき政策も見つからない。 日銀は、銀行から長い国債を大量に買い取ったが、銀行から見れば、持っていた国債が日銀への預…

ブラックの贈り物

通貨とは、無リスクの金利である。 今日は、世界がどうなっているのか知りたい若者へのメッセージ。簡潔にいきたい。こんなのは、まったく聞いたこともないかもしれない。先生に話しても、馬鹿扱いされてしまうかもしれない。通貨とリスクと金利が、一緒に住…

情報で遊ぶ

校長先生の話の中に、ほんの些細な面白い点を見つけたとき、つい小声でも、ツッコミを入れずにはいられなかったおかげで、いつも体育教師には耳をつねられて朝会を過ごした。周囲にウケると、どうしてもバレてしまうのだ。黙って聞いている日だってあったわ…

市場と闘い続けた視点 - LittermanによるFamaへのインタビュー

シカゴで行われた昨年のCFA Instituteの会議での、LittermanによるFamaへのインタビュー*1から、抜粋して訳してみる。偉大な二人の明晰な対話に、僕の解説など不要に決まってるので、さっさと始めよう。 Litterman: あなたは市場の効率性と、また均衡におけ…

国債を発行して年金を支払い、支払われた年金が国債を買う

極端にシンプルな社会を想像しよう。政府は年金を払うために存在し、その財源は、国債を発行することで賄う。税金による収入は、将来の課題とされている。 年金は、銀行預金の口座に支払われる。銀行は、これに見合った資産として国債を買う。これで一周であ…

国際金融のトリレンマ2.0

世界中の端末が互いに繋がって情報は行き来し、実際に人や物を移動させるコストも劇的に下がった21世紀に、そもそも「資本移動を制限」しようとしても極端に難しい。百歩譲って、何らかの形で制限できたように見えたとしても、いずれ生まれざるを得ない闇取…

Fischer Black on PSST

クリングが数日前のブログ*1で、1986年のノイズ論文*2からブラックを引用している。ぶっきらぼうで、しかし何かゴツゴツしたパンチのある文章は、いつか全文を、日本語に表現してみたい。 The costs of shifting real resources are clearly large, so it is…

硬貨は負債として計上されない理由を述べよ

紙幣であれ、硬貨であれ、一般に負債性を持つわけだが、硬貨のそれは紙幣と比べても、より一層わかりにくい。この点に今日はチャレンジだ。 【問】紙幣が負債として計上される一方で、硬貨は負債として計上されない理由を述べよ。— Yoshi Noguchi (@equilibr…

いつ企業は合併するのか

長い時間をかけて、興味を持って取り組んできたテーマ*1だが、一人だって企業たり得ることを考えれば、いつ転職するのか、どんなふうに独立するのか、といった問題すら内包する、極めて一般的な内容でもあるわけだ。 再編必要な業界、国が公表…「新陳代謝」…

さよならALM

保険や年金は、その負債が長いので、だから政府に長く金を貸すのだと言う。そんなものは絵空事だと、さっさと捨てちまえという話なのだが、なぜそんなふうに考えるかといえば、昨日の絵*1の中に「長い負債」は見えてこない。どういうことだろうか。 シンプル…

国債のようなもの

我々は政府に金を貸している。預金や保険、年金の形で「貯めている」金の大きな部分は、その先で国債に向かっているわけだ。国債を毎日取り扱うプロフェッショナルの方々と飲む機会を前に、頭の中を整理しようと、時間をかけて、うんうんうなって考えてみた…

ビットコイン2.0

七夕だってのに梅雨が明けたそうだが、この春にビットコインについて書いた記事*1を、あち*2こち*3で採り上げていただいて、この不思議な電子コモディティが多くの興味を集めること自体に驚いたのだが、また同時に、ではどうしたら通貨をつくれるのか、あな…

目隠しリスクのプレミアム

楽天株式会社: 三菱UFJモルガン・スタンレー証券のアナリストレポートについて http://corp.rakuten.co.jp/news/press/2013/0702_01.html また、当社は今後同氏の取材については一切お受けしません。 株屋のレポートに限らず、誰かが何かについてトンチン…

黒田日銀のための出口戦略入門

要するにリスク資産を売り抜けろという話なのだが、FRBもアワアワする*1中、いつものように基本的な大枠について、今後のためにメモしておきたい。 低利誘導の終了 リスク資産の売却 いまだ見えてこない景色ではあるが、徐々に各地で資金需要が強まってくる…

Fama-FrenchあるいはAPTは、どのようにCAPMと矛盾しないか

たったひとつのファクターが株価を表現するだなんて、そんなの無理があるだろと、どうしても探る手足を増やしたくなる一方で、たったひとつのファクターによるモデルとしてのCAPMは、そのすべてを包含する。ちょっと何を言っているかわからないかもしれない…

「ポートフォリオリバランス」の矛盾

日銀が今週出した「2012年の金融市場調節」と題するペーパーが面白くて、すこし時間をかけて読もうと考えたわけだが、こいつを肴に白川さんと一杯やりたいものだと夢想したわけだが、とりあえず目に付いた点について、突っ込みメモを書いておきたい。 (論文…

債務と成長とモノサシ

例えばスペイン政府に5年間カネを貸す金利は、ドイツ政府に5年間カネを貸す金利よりもずっと高い。もちろん同じ通貨ユーロを用いているわけで、「ひとまず明日までね」と毎日繰り延べ、結果的に5年間貸し続けた場合に受け取る金利は、どちらも同じはずである…

正しい判断は、最初の3秒で決まる

率直に言って、タイトルは気に入らないと思った。3秒ではわからないことは、たくさんあるからだ。その中には、とても大切なことも。 彼は、凄まじいスピードで歩く。僕は、ほぼ止まっている。大切な友人で、同じ道具を共有しているが、それが彼の一部に過ぎ…

なぜビットコインは通貨になれなかったのか

日本人の名前だと思うのだが、ナカモトサトシと名乗るハッカーのつくった仮想通貨「ビットコイン」の価格が、乱高下している。背景には欧州危機があり、政府や中央銀行に依存しない点が人気を呼び、価格が高騰していたが、高騰し過ぎて今度は「バブル」が破…

統計解析のはなし

統計はビッグだとか、データが最強だとか、なんだかハッタリ染みた見出しを最近よく見かけるのだが、もちろん読んでもいないのに批判するつもりなど毛頭ないのだが、道具の手触りを伴わない「らしいよ」情報は一般に、なんだかスゴいらしいよとか、これから…

量的質的財政ファーッ

さて今回*1のメカニズムを、なるべく簡潔に書いてみたいと思う。日銀はこれまで、決済の便利のために紙幣を発行して、短い国債を買っていた。市中の銀行は、我々から預金を集め、その一部を貸し出し、余った分は短い国債を買っていた。もちろん正確には、あ…