Black-Litterman

要因分析と投資行動

トヨタの株が上がると思い、いくらか買っておいたとする。ところが実際には見込みは外れて、ドーンと下がってしまった。負けてしまった分は、買った金額と下落率との掛け算だと思うと、勝負の大きさとしての買った金額が大きいほど、あるいは見込みから外れ…

フィリップス空間とタイミング戦略

勝手に空間にしてしまったが、例の多次元の奴*1だ。物価や失業率を考える際に、必然的に視野に入ってくる各投資先について、いつでも我々はタイミングを計りたいと考えている。株式は安いときに買いたいし、債券は高いときに売りたい。そういう下心で動かさ…

CAPMの別の表現

Black-Littermanのプライヤー、いわゆる均衡期待リターンについて、実はCAPMそのものなわけだが、そのことがパッと見てよくわからないという指摘を複数いただいた。ので、すこし丁寧に書いてみようと思う。算術なので、「なんとなくわかる」方は、特に読む必…

現場ビューの総合計としての世界

こうして雑文を垂れ流し始めてから、既に二年もの月日が経過している*1ことに自分でも驚くのだが、「ご縁をいただいた」と表現すべきか、やはりネットで書かれる、それぞれの現場の最先端の方々にお会いして、一杯を交換するチャンスを持つことができた。 至…

アクティブ株式運用のためのポートフォリオ構築(下)

さて、見通しの表現の仕方についても考えてみたい。トヨタに強気のとき、トヨタだけを買い増すのは素直な行動にも思えるが、実はもうすこし検討する余地があると思うのだ。 見通しのポートフォリオ 株式の動向は、程度の差こそあれ、大抵は互いに連動してい…

アクティブ株式運用のためのポートフォリオ構築(上)

「最強のチームをつくるためには、最強の選手を集めてくればよい」 というシンプルな発想は、長嶋巨人の例を挙げるまでもなく、実際のところ、あまりうまくいかない。期待のアイツが怪我をしてしまったり、思わぬチームワークの綻びが出て、当初描いていたよ…

APT的なBlack-Litterman

残高は、必ずしもリスクを表現しない。またリスクは、必ずしも残高を伴わない。 リスク推定とリターン予測から、それぞれの投資対象に配分する残高を決めようというのが、マーコヴィッツのポートフォリオ最適化の枠組みだった。また世界中の資金調達の残高と…

Black-Litterman(2) - 見通しの最適配分

私的で熱狂的な勉強会を @TaejunShin @takashifc らと、繰り広げた休日はもう普通じゃなくエキサイティングで、徹底した論理のトンネルをくぐった向こう側に、隠れていた現実を見つける喜びは、いつでも他の何にも替え難いものです。今回のテーマは、Black-L…

ギャンブルを冷徹に戦う

配当160億円所得隠し 競馬予想プログラム会社に指摘 東京国税局 - MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/091009/crm0910091057006-n1.htm 関係者によると、同社は出走馬の血統や天候など各データを使って独自の競馬予想プログラムを開発…

Black-Litterman(1) - 「ポートフォリオ最適化」の問題点とは

Taejunさんが、ややアカデミックな展開をされそうなので、こちらでは「実際にやってみる」的な内容で、併走してみたいと思います。 さて、よくいう「ポートフォリオ最適化」を実際に行おうとすれば、すぐに問題に直面し、立ち止まらざるを得ません。「期待リ…