2017-01-01から1年間の記事一覧

マイナス金利紙幣のつくり方

表を書いとけばいいんですよ。金額の代わりに。 2018年10000円2019年9000円2020年8000円 なんてこった、ますます師走が忙しくなるじゃないか!

クラッシュとは、要らんものを要らなかったと認める過程である

もちろん金融市場の話だが、お前は何を言っているんだと、わけがわからないと思われる方もいるかもしれない。もしかすると他方で、例えば資金調達の最前線で、またはカリフォルニアの青い空の下、あるいは中国のスモーキーでゴーストな都市で、ピンと来られ…

金融商品取引法はICOを追え

米SECがチェアマンの名前で、ICOへの再度の注意喚起、ちょっと強めの奴を出したのは先週の話で、レストラン評価アプリ https://munchee.io/ による資金調達にストップをかけたタイミングと同時だ。その内容はシンプルで、エコシステムとか名乗って、サービス…

GPIF @gpiftweets は手抜きしないで日銀 @Bank_of_Japan_j と殴り合え

GPIFは手抜きしないで日銀と殴り合え、という記事を書こうかと思ったのだが、最近できたらしいツイート連投を試してみる。— Yoshi Noguchi (@equilibrista) December 18, 2017 当初から指摘しているように、日銀のマイナス金利がインチキなのは、別にマイナ…

通貨の「裏付け」と分別管理の心

「裏付け」だとか何チャラ本位制だとか、どこかで聞いたような用語を言っときゃいいんだろ的な、雑な見解に溢れた世の中だって悪くないと思えるのは、それが闇雲な競争だとしても、そこに需要がある限りいつか質は向上せざるを得ないはずで、つまり参戦しよ…

スマートなリバランス

例えばGPIFが公表している現在の資産構成割合*1を見ると、目標とする「基本ポートフォリオ」から乖離しています。ほとんどあらゆるポートフォリオで、その目標と、現在の資産配分とは異なります。もちろん、特段の目標を持たないポートフォリオも存在するわ…

限られた資源としてのファクター投資

ほとんどあらゆるアクティブな投資判断はサイズの意味で有限である。例えばトヨタがVWに対して買われることを見込むとき、より大きく顧客の資産を背負うほど、取引が動かす価格は、期待する収益を押し潰してしまう。にもかかわらず運用のプロフェッショナル…

娘がビットコインを買ったんだ、そして上がった、彼女はいま自分を天才だと思ってる

CNBCのDelivering Alpha*1というカンファレンスで、JPモルガンのダイモンがビットコインについて、「そんなものやってる阿呆なトレーダーは秒速でクビだ」と発言したそうだ。面白いので、いくつかピックアップしてみる。 JPMorgan's Dimon: Bitcoin is a fra…

誰がデジタル通貨を欲しているのか

そんなもん山師に決まってるじゃないですか。来るべき世界とか吹いて、ひと山当てようって話ですよ。あ、日経の記事は読んでません。 デジタル通貨 中銀に待望論 英中など構想、日本も研究 金融政策効力堅持へ :日本経済新聞 https://www.nikkei.com/articl…

Chopsticksを組み合わせて先物取引をつくろう

オタク向けです。二択の賭けは、リスク取引の最も原始的な形ですが、複数のChopsticks*1を組み合わせて、より高級なデリバティブズをつくってみようという企画です。できるかな。 日経平均が A) 20000円を超える という証券について、20000円分買います。よ…

フィンテック風サービス雑感

ここのところフィンテック風というか、取引サービスのようなものがポツポツ出てきて、どれも使ったことはないのですが、勘で徒然に書いてみようかなと。間違っていたら、教えて下さい。 VALU | だれでも、株式会社のように、あなたの価値をトレード。 https:…

ロボアドバイザー確認リスト

米SECのつくった、ロボアドバイザー確認リストが素晴らしいので、箇条書き部分の冒頭のみ、抜粋して紹介しよう。そこらのフィンテック提灯記事とは、ひと味もふた味も違うぜ。 SEC.gov | Investor Bulletin: Robo-Advisers https://www.sec.gov/oiea/investo…

パッシブ投資のパラドックス

皆と同じようなことをやるのがパッシブ投資だ。世界を見渡せば、多くの皆はアクティブ投資をしている。つまりパッシブ投資は、アクティブ投資を含む。

金融に未来はあるか - Other People's Money

まず日本語版への序文から引用しよう。 スチュワードシップ、つまり企業が適切なコーポレート・ガバナンス(企業統治)、有効な後継者育成計画、そして事業を展開している市場や経済圏にぴったりの戦略を整えられるよう見守ることは、もはや、投資に伴う付随…

議決権を流動的に

議決権取引を、極端に容易にしてみよう。面倒なので、そもそも株式と一緒に配ることをやめてしまおう。株式を買って議決権を売った状態は、最初から実現されていて便利だ。議決権が欲しい株主は、カネを出して追加的に買えばよい。 議決権は、会社が広く一般…

議決権は誰のものか

メルカリ*1で議決権が売られているそうで、日経の記事にはイベント入場券や土産物引換券のような扱いで書かれているわけですが、もちろん普通に議決権は行使できるわけです。委任状が要るだろみたいな手続き論もあるわけですが、あるいは禁止するにしても「…

ネバーランドの成長戦略

たった2つの産業から成るネバーランドの話*1の続編です。 半減したGDP、跳ね上がった失業率レポートにショックを受けて、ネバーランドはリーダーの叫びに従って、成長戦略を打ち出すことにした。人工知能と自動運転で、コメ農業を全自動化しようと、画餅を食…

現金廃止してデジタル通貨で逃げ場のないマイナス金利が実現する際に取るべきアクション教えます

空席のFRB理事ポスト候補に、決済テクノロジーとマイナス金利に造詣が深いとされるグッドフレンド氏が挙がっている*1そうで、現在は利上げ局面の途上にあるとはいえ、のりしろ論(要するに未来の利下げ)だとか、あるいは長い金利の現状を見ても、また例えば…

景気循環ABC

タイトル見てなんだこれと思ったけど、商売によって価格付けは違うよねとか、賃金は簡単には下がらないよねとか、内容読んだらとてもよかった https://t.co/pR1XgX1kso— Yoshi Noguchi (@equilibrista) May 26, 2017 集計すると見えなくなってしまう何かを掴…

後ろ向きに出口へ

好景気になって、異次元の金融緩和からの出口で、日銀が債務超過に陥るみたいな財務論が、にわかに流行ってきて嬉しいわけだが、当ブログが継続して書いてきているテーマのひとつなわけだが、誰が何を言おうと誰もピンとこない振り返っても過去に例のない話…

死亡率リスクを弄ぶ

生命保険に使われる生命表が改定される*1そうで、ちょこまかと策*2を施して、要するに医療保険の保険料を上げたいようなのだが、そこはしかし細かい話で、以前に書いた大きな問題*3は依然として変わらないままだ。保険のような仕組みは、それこそ大昔から存…

市場のつくり方

割と簡単につくれます。 Chopsticks Trade http://chopsticks.trade/ https://twitter.com/chopstickstrade お題を考える まずテーマを決めます。二つの選択肢のうち、どちらかが必ず、実現することが必要です。ですから例えば A) 稀勢の里が優勝する B) そ…

なんでも市場メーカーつくりました

Chopsticks Trade http://chopsticks.trade/ https://twitter.com/chopstickstrade 是非遊んでみていただけませんか。Twitterのアカウントでログインします。 例えば明日のWBC準決勝*1では、 A) 日本が勝つ B) アメリカが勝つ + the others という二つの証券…

危機の構造

振り返って視界に入る範囲では、結局のところ危機の構造は皆同じだった。金融緩和が資金調達に補助金を渡し、その先で要らないモノに突っ込まれる。典型的かつサイズが大きいのは不動産だが、要らないモノを買う奴に(要らないモノの一形態として)資金供給…

伝統的為替操作国認定政策

あまりにも面白いので、とりあえずメモ。 トランプ大統領が日本の為替政策を批判 | NHKニュース http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170201/k10010860071000.html トランプ大統領は為替について言及し、「中国が何をしているかそして日本が何年も何をしてき…

日銀を消す方法

一万円札は負債じゃないと嘯くセンセイ方が多い*1ことには驚くばかりだが、日本銀行あるいは「統合政府」に、返済を要求するシンプルな方法についてメモしておきたい。税金を紙幣で払うのだ。 所得税を紙幣で払う。法人税を紙幣で払う。消費税を紙幣で払う。…

誰が何をコントロールできるのか - 雨宮理事講演雑感

久しぶりに日銀にコメントしようと、そういう気にさせてくれた講演だが、ただ灰色で重い。 【講演】雨宮理事「イールドカーブ・コントロールの歴史と理論」(金融市場パネル40回記念コンファレンス) http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2017/ko…

金利政策の四類型

貸したい者と借りたい者がいて、互いに綱引きしつつ貸借が成立するとき、そこに条件としての金利はあるわけで、一連のプロセスに中央銀行は特に必要とされない。にもかかわらず連中は常に介入を続けたがる、そこに存在感を示したがるわけだが、そうして(一…