2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

最後の打ち出の小槌

「中央銀行は最後の貸し手たれ」とバジョットは言ったそうだが、財政危機であれ金融危機であれ、それがリスク負担のことを指すのだとすれば、どうしても「含み益経営」を想い起こさざるを得ない。資産も負債もスッ呆けた評価をする会計は、張子の虎の逆で、…

中央銀行の信用リスク - 通貨の信認はどのように失われるか

地震と、津波と、原発のことが、頭に絡みついている。NHKばかりを目が追ってしまい、本も読めなければ、それ以外のニュースすら、なかなか自分の中に入ってこない。25世紀のエネルギーとビジネスと行政をリスクの言葉で考え、しかしあまりにも難しくて、さっ…

原発チャレンジ

なるべくシンプルに書こうと思うのだが、ある原発が来年までに大きな事故を、B)起こさないと賭けた馬券*1は、最後は必ず誰かが負担しなければならないリスクを負担しており、それゆえプレミアムが返される。言い換えれば、それは世界のチャレンジの全体とし…

原発ギャンブル

不謹慎は承知の上だが、我々はでっかいギャンブルに負けた。原子力発電所は、主に地震と津波を原因に、事故を起こすことになった。これが大きな負けなのかどうか、よくわからない。「高効率に」電気をつくり出しているのだから、長い目で見れば勝っているの…

復興資金は「あげる」か「貸す」のどちらかだ

または両者の組み合わせになる。ほとんど自明のことだが、すこし落ち着くためにも、よく採り上げられる手法の構造を確認しておきたい。「あげる」と「貸す」は、どんな特徴を持ち、どんなふうに組み合わされるのか。すこし乱暴なくらいがいい。大切なのは、…

「日本復興」

この言葉を、あちこちの見出しに躍らせたい。もちろん、そんなものは時間の問題で、いずれ東北の太平洋岸をひとつの中心として、僕らは新しい世界をつくり上げるプロセスに突入する。いや、既に突入している。そのとき報道が、最高にエキサイティングな現場…

現場ビューの総合計としての世界

こうして雑文を垂れ流し始めてから、既に二年もの月日が経過している*1ことに自分でも驚くのだが、「ご縁をいただいた」と表現すべきか、やはりネットで書かれる、それぞれの現場の最先端の方々にお会いして、一杯を交換するチャンスを持つことができた。 至…

投資の消費性について

昨日の記事を広めていただきました皆様、ありがとうございました。背中を押していただいた [twitter:@kenchamam] にも深く感謝します。すべてのチャレンジャーを、ほんのすこしだけ、助けたと信じています。大変な一日は夕刻を迎えつつありますが、暮らしも…

資金調達市場

株式市場が資金調達の市場であること*1は、教科書に書かれているにもかかわらず、実際に数多く実行されているにもかかわらず、ほとんどあまり理解されていない金融の不思議のひとつだ。いま一度強調しておこう。チャレンジの志はあるものの、そのリスクを負…

非伝統的金融政策が財政政策とは根本的に異なるたったひとつの理由

タイトルだけキャッチー風にしてみたところで、この手の与太話が興味を集めるとも思えないのだが、要するに財布が違う。いつものように極端な例で考えてみよう。程度はあとで、好きに調整すればよい。 政府が「穴を掘って埋める」100兆円の公共事業を実施す…

実質金利均等化のメカニズム

意志を疎通できる若干の英語コミュニケーションスキルがあれば、このような超格安で高品質な世界中のサービスを、個人が誰でも迅速に利用できる時代になったのだ、ということを実感しました。 http://blogs.itmedia.co.jp/mm21/2011/02/post-3ab9.html 写真…