「長期投資のリスク」にファイナルアンサー
高等遊民さんのところで、運用期間とリスクの関係について、疑問が呈されていたので、ファイナルアンサーを試みたい。もしかすると、この表現はとても古いのかもしれない。
高等遊民の備忘録: 運用期間とリスクの関係
http://koutou-yumin.seesaa.net/article/138813864.html
主張1) ある前提*1のもとで、投資のリスクは、運用期間の平方根に比例して増大する。
√V(X1+X2+...+Xn) = √{V(X1)+V(X2)+...+V(Xn)} = √V(X) x √n
主張2) 同じ前提*2のもとで、投資の年率リスクは、運用期間の平方根に反比例して減少する。
√V*3まで還ろう。どちらかの眼鏡をかけて、投資のリスクを眺めたとき、大きく見えたり小さく見えたりするかもしれないが、そのことを理由に、(投資を減らして)あなたの消費を手前に移動させたり、また(投資を増やして消費を)未来に移動させたりすることは、合理的だろうか。否。その同じ眼鏡で消費を見つめたとき、相対感は変わらない。遠くに押しやる消費は、その分喜びを減らしてしまうだろうし、今日焦ってお金を使っても、あまり嬉しくないはずだ。
「ホントか?」という日常の感覚は、いつも大切にしたい。
*1:面倒なので省きます
*2:面倒なので省きます
*3:X1+X2+...+Xn)/n) = √{V(X1)+V(X2)+...+V(Xn)} / n = √V(X) / √n まったく矛盾していない。簡単のために、途中の議論や取捨をスッ飛ばしているが、そういう突っ込みが出来る方は、ご自身で脳内補足できるだろうと思う。 さらに大切なこと、あちこちで誤解されていることだが、これらの事実は、基本的に投資行動には影響を与えない。なるべく簡潔な説明を試みよう。なぜなら上記2つの見方のいずれも、あらゆる投資対象に共通する。主張1)のように見たとき、株式のリスクは増大するが、債券のリスクも増大する。主張2)のように見たとき、不動産のリスクは減少するが、コモディティのリスクも減少する。 要するに、眼鏡を変えただけなのだ。さらにMerton(1969)((http://www.jstor.org/pss/1926560