GPIFに的確に突っ込む

四半期の運用成績に対して、おかしな切れコメントを見かけるが、ツッコミの方にもトンチンカンなものは少なくない。資産運用の現場で見かける混乱を、そのまま全国ニュースのレベルで展開しているようにも見えるが、簡単に整理しておきたい。


年金界のクジラGPIF、過去最悪の運用成績でもリスク資産投資 - Bloomberg
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NYMZ1B6JTSEO01.html


政策ベンチマーク並みなんだから別にいいだろというのは、業界関係者によくある指摘だが、もちろん7時のニュースも我々も、トータルで損を生むような意思決定の全体について文句を言っているのであって、そのプロセスの一部が適切に機能していることを主張したところで、まったく噛み合っていない。この最も大きな外側でズレている構図は、また年金行政の相似形にも思えてならない。


一方で、当のGPIFすら主張していた*1ことだが、ここ数年増えてるんだから別にいいだろという弁明も、極端にケセラセラに響く。株が上がった理由の小さくない部分は、さんざん当ブログが馬鹿にしている政治主導と、これに対する裁定の結果である。もちろん世界中が似たような状況にあって、且つ同時に、円の購買力は減少している。蛇足だが、おそらく10-12月期を見れば戻しているだろうが、どこを切り取ったところで常に「恣意的」であることに変わりない。


違うよ。ポイントは、ここ数年、その政治主導の下で、よりリスクを取るべく(あるいは価格を吊り上げるべく)GPIFが、株式や外国資産への配分を増やしたこと。そのことによって、運用成績の振れが、以前に比べて大きくなったことだ。7-9月期と10-12月期を渡るジェットコースターが、以前のポートフォリオに比べて、より派手になったと言えば、わかりやすいだろうか。


もちろん、その大きくなったリスクは、結局のところ年金加入者(あるいは納税者)が負担するものであって、(それなりに給料も取る)有識者やら専門家やらは、言ったもん勝ち番長である。ちなみに知識もヘボい。やってられるかっての。年金なんて解散しちまえ*2という記事は、以前に書いたので是非どうぞ。