ETF決済

さて、全自動マネー*1の世界では、どうしても自分の預金口座と株式*2との間で、ちょこちょこと取引が発生することになる。なんやかんや理由をつけて、銀行には高い手数料を取られそうだ。例えば派手ネクタイの営業に乗せられて、麗しのスポーツカーを買ってしまったとき、その支払いのために、それまで株式リスクを負担しながら貯めていた購買力を、決済用の現金に一旦変換する必要が出てくる。要するに株を売るわけだ。


ディーラーの立場になってみると、まんまとクルマの購入契約を結んで、納入した真っ赤なハイウェイスターの代金が振り込まれるとき、売り上げの一部は所長賞として、派手ネクに払ってやることになる。派手ネクの立場になってみると、手元に転がり込んできた金一封は、全自動マネーの仕事の対象になる。今晩キャバクラにレッツゴー貢ぐ分だけを残して、あとは株式のリスクを負担しにいくのだ。


というふうに考えてみると、全自動マネーの世界にも壮大な無駄が存在することがわかる。株式が売られた代金は、そいつが渡った先で、また株式が買われる。おい21世紀だぜ。僕らはもうすぐ、そんな面倒のコストをブッ飛ばす、素敵な仕組みを登場させるだろう。そう、ETF決済だ。株式を売って現金をつくる面倒など省いて、受け取った現金で株式を再び買う面倒など省いて、株式で直接支払い、受け取ってしまうのだ。


「代金の半分は預金で、残りの半分は1306*3で払うから」


スチュワーデス物語*4では難しいオーダーに堀ちえみ*5がオタオタしていたが、派手ネクは慣れているので特に動じない。いつもの信金のパーマでメガネなお姉さんから、株数を確認する電話がかかってくるだけだ。もちろんディーラーの財務を考えれば、給料として払ってしまうまでの間に、受け取った株式リスクを抱え過ぎていれば、「そんなものに投資した覚えはない」「ちゃんとリスク管理しろ」と自社の株主に怒られてしまうかもしれない。が、そこは心配ない。全自動マネーによく似た「全自動リスク管理システム」を、僕が営業しに行く先が増えるってわけだ。いつでもご相談を承っております。


ところで、「物価が下落するのは、物やサービスに比べてマネーの量が足りないからだ」という主張を耳にすることがある。果たしてETF決済の世界で、マネーの量とは何だろうか。物価は下落するだろうか。デフレが到来するとき、足りていないのは何だろうか。