「不況についての迷信」に相乗り

池田信夫氏の「不況についての迷信」*1が興味深かったので、相乗りしてみる。ちょっと違うと思ったところだけ。

不況の原因は「需要不足」だから、景気対策で需要を追加すれば問題は解決する
「需要を追加」するなんてそもそも無理。無理矢理政府が金を使って一時的にGDPをひねり出しても、単にそれを狙う奴に金が渡るだけ。しかもその後に要増税。「GDPギャップ」なんて幻想に過ぎないと思うのだが、その話はまた後日。
財政支出によって「完全雇用」が実現できる
そりゃできる。極端な話、失業者を皆公務員として採用すればよい。しかしそれは、とても効率が悪い。ものすごく悪い。きっと税金は馬鹿みたいに高くなるし、経済の先行きは役人の想定通りにはならないだろう。そんな国はいやだ。
日銀が通貨を供給すれば、いくらでもインフレにできる
昨日書いた*2とおり無理。貨幣は需要がある分しか供給できない。
日銀が「インフレ目標」を掲げればインフレが起こる
無理ですよ。日銀が何かを言ったからって、僕は自分が売ってるモノの値段を上げたりはしない。
不況の最中に構造改革を行なうと、供給を増やしてGDPギャップが拡大する
構造改革」が効率の向上を意味するなら、いつでもやった方がいいでしょ。そうやって増やされる「供給」は、需要があるところを一所懸命探す。それこそが経済成長の源。
財政赤字は「国民の国民に対する借金」だから心配する必要はない
なんでよ?お金返してもらえなかったら困るじゃない。「同じ国民だから奢ってよ」ってのはナシでしょ。そんな国はいやだ。


ううむ、こうしてみるとこちらの方が極端だ。そんなつもりないんだけどな。とはいえ前にも書いた*3ように、金利の水準がどこにあろうが、金融政策はほとんど効果がないし、財政赤字があろうがなかろうが、財政政策はほとんど効果がないと考えるのが、当ブログの立場である。


あ、でも結論は似てる。僕らがほしいものを、僕らが一所懸命につくり出すこと。これ以外に繁栄の姿はなんて、あるはずもないじゃないか。