なぜ未来の売上は資産か


なるべくシンプルかつ極端に考えたいわけだが、例えば人間の頭脳や工夫だけで売り上げる商売があったとする。ほとんど何もBSには載っていない。もちろん、常にゼロのBSを微分しても、残念ながらPLは生まれてこない。単に売り上げて、いくらかの給料を払い、そして利益が残る。だけだ。


こんな会社でも、転職やノウハウの流出を防ぐ工夫こそ必要だが、とはいえ売却すれば株価は付く。シナジーを期待する他社に買収されたと考えよう。BSに株式として資産計上しようと思うとき、適正な株価は一体いくらだろうか。未来の収益と費用を見積り、現在価値を評価したくなる。


では最初の会社のBSは、あるいは連結する必要があるわけだが、本当に常にゼロでよかったのだろうか。このジャンプ*1を埋めることと、ストックとフローを微積分として捉えることとは、実は同じ話に思えてならない。


未来の正のフローの現在価値が資産である。未来の負のフローの現在価値が負債である。そう考えると、スッキリと体系を整理*2できる。さまざまに試してみて頂きたい。


頭脳が生み出す売上の流列は、最初の会社の資産だった。また負債は、今後に支払う給料と、そして不足するだろう確定給付年金の補填分も含むはずだ。


もちろん未来は常に不確実で、任意のアイテムは程度の差こそあれ、本質的に評価性である。同時に株価は、やはり時々刻々と変動する。