ネバーランドの成長戦略

たった2つの産業から成るネバーランドの話*1の続編です。


半減したGDP、跳ね上がった失業率レポートにショックを受けて、ネバーランドはリーダーの叫びに従って、成長戦略を打ち出すことにした。人工知能と自動運転で、コメ農業を全自動化しようと、画餅を食べようと、国を挙げて全力で投資することにした。


かつてコメ流通に携わった人々は、スパゲティのようなプログラムを書きまくることに時間を使うことになった。コメ農業に専従していた者さえ、開発に協力して資源を割くことを余儀なくされた。投資を含むGDPは跳ね上がった。失業率は急速にゼロに潰れた。この挑戦は必ず成功させると、景気の好循環は回っていると、リーダーは鼻息を荒くした。


未来は2つあるように思われた。(可能性は小さいだろうが)運良く挑戦が実を結び、農業はオートパイロットされる未来。そのとき失業率は再び跳ね上がり、新たな別の成長戦略を探す敗者のゲームだ。あるいは実を結ばず、官製バブルは崩壊して、挑戦しなかった場合と比べてさえ貧しくなる未来。結果的なガラクタに突っ込んだ、長い時間が失われる。


ネバーランドは、挑戦すべきだったのだろうか。あるいはどのような挑戦の姿が、ネバーランドにはふさわしいだろうか。