現金廃止してデジタル通貨で逃げ場のないマイナス金利が実現する際に取るべきアクション教えます

空席のFRB理事ポスト候補に、決済テクノロジーとマイナス金利に造詣が深いとされるグッドフレンド氏が挙がっている*1そうで、現在は利上げ局面の途上にあるとはいえ、のりしろ論(要するに未来の利下げ)だとか、あるいは長い金利の現状を見ても、また例えば新興国や不動産市況を見ても、近い将来に活躍の場面がありそうな(どちらかといえば嫌な)予感はしないでもない。そう、僕はベアだクマー。ただ、いまいち当たらない相場観は横に置いておいても、最近のインド*2やテロ対策の例を挙げるまでもなく、これまでになく紙幣廃止論の気運は盛り上がっていて、同時にフィンテックみたいなセコい看板も、いまのところ錆は目立っておらず、教科書しか扱ったことのないイノセントな先生方は、紙幣さえなくなれば逃げ場がなくなってマイナス金利を実現できるなどと吹かれる場面もチラホラ見かける。もちろん生活者としては、そのとき預金が減っていけば単に腹立たしく、当然対策を講じたいわけだが、今日はそうした方法について具体的に書いてみたい。


さて、やり方は簡単だ。そのマイナス金利よりも高い(例えばゼロ)金利で、自分が預金のようなものを集めるのである。銀行と明言してしまうと業法に触れて問題があるわけだが、ファンドであれポイントであれ円天であれ、実質的に実現する方法はいくらでもある。元本保証という看板の果てしない力強さは、金融の現場にいたことのある人間なら誰でも知っている。「預けていただいたカネは減らしません」と言えば、それだけで営業力は半端じゃないのである。もちろん、そんなこと自分でやるのは面倒だという方は少なくないだろう。もちろん、そんな方のために簡単スキームを用意する、トールキーパー的な仕事も取るべきフィンテックなアクションのひとつである。いくつかクリックするだけ箱をこしらえて、営業サイトから資金の流れまでつくってしまうコスト激減サービスだ。集めたカネをどうするのかって?何でもいいんですよ、そんなの。パッと思いつくのは債券や株式を買うことだが、多少増減したりするかもしれないが、そのくらい日銀だってやってる。問題があると指摘され摘発されるには、大分時間がかかるだろう。それ以前に極端な話、使い込んでしまう連中だって少なくないはずで、要するに相対的にマシでありさえすれば、あとは逃げ足の問題だ。で、チョコチョコ報酬を取っていく。これ。


というわけで、これまでにも読んでいただいたことのある方には繰り返しになるわけだが、マイナス金利など存在しない。こうしたアクションを、もちろんスイカやナナコも含め誰もが狙う事態を、具体的に想像してみてほしい。こうした玉石混交のゼロ金利ファンド群から、時に交通事故を起こしながらも、政府部門も含め互いに切磋琢磨するなかで、例えばリスクの取引*3を応用しつつ、時間をかけて、やがて本物のゼロ金利ファンドが現れるだろう未来を、具体的に想像してみてほしい。価格を決めるのは需要と供給である。そもそも紙幣に例えば日付を書き込むことは、技術的には容易であって、つまり満期に100円が返される紙の債券を101円で取引することに、21世紀のイノベーションは特に必要とされない。ゼロ金利「制約」の理由を紙に求めることが、本来の筋と違っていたのだ。グッドフレンド氏や、あるいは皆さんのニャンコ先生が、この件について何を言うのか、よく聞いておこう。おかしいなと思ったら、俺に電話をくれ。一緒に未来をつくらないか。