なるべく端的に紙幣の負債性を説明する

どうにも財産権の概念が希薄と思われる嘉悦大学教授 [twitter:@yoichitakahashi] は、なぜか経済学を代表して紙幣の負債性を否定するわけだが、バーナンキにもサマーズにも確認したそうだが、もちろん普通に馬鹿げている。


日銀当座預金を民間銀行の「預金」と勘違いする人々へ|高橋洋一の俗論を撃つ!|ダイヤモンド・オンライン
http://diamond.jp/articles/-/106718

要するに、政府と日銀を合算する統合政府ベースのBSを見るとき、日銀のマネタリーベースには実質的な債務性はない。これは、経済学で出てくる統合政府の基本中の基本である。


さて、なるべく端的に示そう。

  1. 例えば僕が滞納する税金は、政府から見れば未収で、「統合政府」にとって資産である
  2. 僕が紙幣で税金を払うと、「統合政府」から見れば紙幣が返却され、その資産は消える
  3. 終わり


いくらでも例は挙げられるが、この財産権の概念が希薄と思われる嘉悦大学教授が批判的に引用するところの


「日銀は、準備預金と日銀券で資金を調達して、その資金を貸付や証券投資で運用していることになる」
「日銀の投融資活動が、日銀券と準備預金を通じた資金調達に支えられていることを常に念頭に置いておいてほしい」
「民間銀行がより有利な資金運用先を求めて日銀当座預金から資金を引き出してしまえば、日銀が資金調達難に陥り、国債を売却せざるをえなくなる」


という一橋大学教授 [twitter:@makotosaito0724] による指摘は、まったくもって説得的である。