富と幸せを交換する取引

「富が一定である閉鎖的なマーケットの中で、平等に富を持ったプレイヤーに対し、ランダムに得する人と損する人を決めていき、ある一定のステップを踏んだ結果、少数の金持ちと、多数の貧民の格差に分かれることになる」という興味深い話を下記ブログで知ったのだが、「ベッドルームで群論を」という魅力的なタイトルの本に、あるいは「Rで楽しむ統計」にも似たような話が、書かれているそうで是非とも買わなきゃ。


お金の総体が変わらない市場でやりとりしたら、貧富の差が生まれるか? - Line 1: Error: Invalid Blog('by Esehara' )
http://bugrammer.hateblo.jp/entry/2016/09/14/201722

ルールとしては、まず市場に存在するプレイヤーは、それぞれ同じお金を所持しているものとする。そして、各プレイヤーのお金の総体は、増減しない。つまり、プレイヤーの所持する金額のお金を合計すると、いつも同じ所持金になるということである。そして、そのプレイヤーでとりひきするときに、損するプレイヤーと、得するプレイヤーをランタムに決める。このモデルにおいては、借金は認められないので、得するプレイヤーは、損するプレイヤーの所持金を越えない範囲においてのみ得することができる。また、損得の率については、これまたランダムで決定されることにする。


ベッドルームで群論を――数学的思考の愉しみ方

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Rで楽しむ統計 (Wonderful R 1)

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こうした極端なモデルが示唆するところには、いつだってドキドキするわけだが、すぐに思いついてしまう遊びは、以下のように設定に若干の変更を施すことだ。同じように極端な、もうひとつのモデルである。同じようにランダムに、富と幸せを交換する取引を実行することにする。富が移転されるとき、逆向きに、幸せが移転されていると思う。さほどおかしな想定ではない。何かを買うとき、多かれ少なかれ僕らは幸せを得ている。さて、ここでは何が起きるだろうか。


おそらくプログラムを変更する必要はない。移転された富は、そのまま逆向きに、移転された幸せを表現しているだけだ。そこにある結果に、何を感じられるだろうか。どちらの極端も残念ながら、あまり現実には近くない。思ったよりも僕らは、経済のことを知らない。