自然利子率

大抵いつでもパンを売りたい人も買いたい人もいて、農水省が放っておいても、パンには値段がつく。自然なことだ。
大抵いつでもカネを借りたい人も貸したい人もいて、日銀が放っておいても、貸借には金利がつく。自然なことだ。


自然な値段と言われれば、このように考えるのが自然だと思うのだが、話が金利になった途端、当の日銀さえ、不自然な説明を繰り出すことには驚きを隠せない。

実は、伝統的な金融政策も非伝統的な金融政策も、主たる効果波及のメカニズムは同じです。それは、実質金利効果、すなわち、景気や物価に中立的な金利水準(自然利子率)に対して、実質金利を上げ下げすることです。その差が大きいほど金融緩和や引締めの効果は大きくなります。

【講演】中曽副総裁「金融緩和政策の『総括的な検証』に向けて」(在日米国商工会議所主催講演会) : 日本銀行 Bank of Japan


「景気や物価に中立的な」小麦粉価格が一体いくらなのか、僕にはよくわからないが、TPPの例を挙げるまでもなく、さまざまに準備を整えつつ、我々は価格統制を減らそうとしている。
「景気や物価に中立的な」金利が一体いくらなのか、僕にはよくわからないが、同じように金利統制を減らそうという議論は、ほとんど見かけない。為替については頻繁に見かけるのに。