広義の税金が投入される先

ロン爺は「FRBは貧乏人からカネを盗んで富裕層に配っている」と主張した*1が、実際のところ、低金利誘導は貸し手から借り手への移転である。貸し手とは誰かといえば、とてもシンプルで、預金等の形で資産を抱える家計だ。もちろん企業や政府部門も多少の預金を持っているわけだが、ずっと借金の方が多い。そして借り手は、大きく三つに分けることができる。主に住宅ローンとして借りる家計、商売のために借りる企業、そして政府である。


住宅預金等
商売
政府


我々が預金等の形で持っている資産は、(ここでは省略したが)金融機関に仲介され、結局のところ、住宅と商売と政府に突っ込まれているという、考えてみると当たり前の図だ。そして今日のポイントは、左側の連中は、右側に対価として利息を払う点である。もちろん、その大きさを縮めようとするのが金融政策だ。


縮まって嬉しいのは、当然のことながら、1)住宅を買った家計、2)株式を持っている家計、3)納税者としての家計である。そう、どっちみち家計なのだが、もちろんすべての家計にとって、同じように嬉しいはずもない。3)はともかくとして、1)住宅や、2)株式を持つ家計が、そうでない家計から移転を受けていると捉えられるわけだ。教訓はひとつ、中央銀行に緩和圧力が強まるなら、不動産や株を買っておけ。