JPX-Nikkei 400 改善案

大証と合併した東証が、日経さんとも一緒に仕事しましたよ、GPIFさんとも事前に話し合ってますよ的な、オールジャパンみんなでやろうぜ的な、競争市場どこいった感の極まりない新指数の話である。面倒なので大雑把に説明すると、「利益が出てる会社に投資しよう」的な内容のようだが、そんなものに年金のカネ突っ込むなよ以上の感想が、どうしても出てこない。で、出来たばかりのところ恐縮だが、改善案をつくってみた。


東証 : 新指数「JPX日経インデックス400」の算出・公表開始について
http://www.tse.or.jp/news/17/131106_b.html


バフェットの例*1を持ち出すまでもなく、利益を生み出す「質の高い」株式への投資は、いわゆる王道のひとつなのだろうが、そのようなスクリーニングは当然のことだが、例えばアマゾンのような銘柄を買うことを許さない。皆さん、それぞれに「買えない」銘柄の例が思い浮かぶだろうが、つまりクオリティ銘柄は、明確なスタイル選好である。


だとすれば逆向きの、つまり利益は出していないが、しかし投資家には買われている対照的な銘柄群―ジャンクと呼ぼう―も同時に切り出して、いつでもスイッチ可能なクオリティ/ジャンク指数とした方が、投資家にとって使いやすい。ついでと言ってはナンだが、伝統的なバリュー/グロースのスタイル指数も、日本株で決定的と言われるものは思いつかず、またETFの組成も進んでいないのだから、いっぺんにこしらえてしまえ。簡単さ、まず時価総額と浮動株比率、そして流動性で、それなりの銘柄数を拾ってきたら、例えば1)PBRと、そして2)ROEによって、銘柄群をタテヨコに切り分ける。

ほうら、できた。現在の指数は、要するに緑のクオリティ部分のようなものだが、左右方向のタイミングも、上下方向のタイミングも、あるいは両者を同時に、判断して取引を実行できる環境だ。名前はひどいが、利益が出ていないのに投資されている「ジャンク」は、例えば皆が未来に期待していたり、あるいは独自のチャレンジを続けていたり、興味深い側面を持っている。年金のような巨大な連中がクオリティに向くなら、当然のことながら、そのことはジャンクのリスクプレミアムを相対的に押し上げるわけだ。また巨象が動くタイミングが知られていれば、我々はあらかじめクオリティを買うと同時にジャンクを売り、先回りするだろう。


それぞれ四象限にサイズの大小は散らばっており、手前と奥方向だと思えば、株式リスクを三次元で表現するようにも見えるかもしれない。投資家が見通しを持ち、取引を望む性質を基底として、株式投資の次元を探るアクション*2は、指数開発の最大の動機である。未来を向いて、道具を整備しようぜ。えーとですね、ここから先は、すみません有料になります。