実質金利の概念にタックルする

インフレ=借金してでも買おう(将来買おうと思ったらもっと高くなる)
デフレ=買い控えて現金で持っていよう(将来もっと安くなるから)

インフレのある暮らし – 15年ぶりの1ドル80円時代に思うこと | On Off and Beyond


すこし不正確なのは、金利のことが考えられていない。例えば100万円の車が、来年には110万円になってしまうことが予想されていると思おう。すこし高めのインフレーションだ。このとき大雑把だが

  1. 金利が0%なら、来年買うのなら、あと10万円貯めなければならない
  2. 金利が10%なら、いま持っている100万円も、110万円になっている
  3. 金利が12%なら、来年まで待っていれば、2万円のお釣りが出るだろう


あるいは「インフレになると借金が軽くなる」と指摘するひともいる。すこし不正確なのは、金利のことが考えられていない。例えば目的が学費でも住宅でも、変動金利で100万円を借りていると思おう。そして非常に楽観的だが、10万円の給料が来年には11万円になると予想している。このとき大雑把だが、来年の借金の重さは

  1. 金利が0%なら、100万円/11万円=9.1倍と、すこし軽くなるだろう
  2. 金利が10%なら、110万円/11万円=10倍と、今年と変わらない
  3. 金利が12%なら、112万円/11万円=10.2倍と、ほんのすこし重くなる


ここでは10%からの超過分を実質金利と呼ぶわけだが、大切な問いが浮かび上がってくる。「妥当な」金利の水準は、一体どこにあるのだろうか。例えば極端に低い実質金利は、何を意味するだろうか。例えば極端に高い実質金利は、何を意味するだろうか。