借金を構成する3つの要素

Thus a long term corporate bond could actually be sold to three separate persons. One would supply the money for the bond; one would bear the interest rate risk; and one would bear the risk of default. Tha last two would net have to put up any capital for the bonds, although they might have to post some sort of collateral.

長期債は、別々の三者に向けて、売られることになるだろう。資金を供給する者、金利リスクを負担する者、信用リスクを負担する者の、それぞれに対してだ。後者ふたりは、資金を供給する必要はないが、おそらく証拠金のようなものを投じることになる。


現代のスワップ市場の隆盛を結果的に予言していた、ブラックの1970年のメモからの抜粋だ。あらゆる借金は、日本国債も例に漏れず、この3つのコンポーネントから成るわけだが、財政問題で懸念されているのは、もちろん信用リスク。これを担保しようと、刷った札で日銀が国債を買い支えれば、それは2番目の金利リスクに転移される。消えることはない。


とても大切なことだが、信用リスクは債券の発行体に固有*1だが、名目金利のリスク*2は皆に共通だ。あらゆる借金をしようとする者は、その買い手を探す必要に迫られる。なので、経済の拡大がないまま、これが単に拡大することは、ビジネスにとって大きな打撃になる。中央銀行なる組織が、政府と独立に存在しなければならない理由は、ここにある。

*1:もちろん政府のデフォルトは大きな影響だが

*2:日銀の信用リスクを内包している