封筒問題とシーゲルの逆説

id:ROYGB:20090805やid:kojette:20090811:1249917024で語られている「封筒問題」と、id:equilibrista:20090617でご紹介した「シーゲルの逆説」は、よく似ています。

封筒問題
いま2つの封筒があって、片方にはもう片方の倍の金額が入っている。最初にどちらかの封筒を選んで中を見たら、別の封筒に交換することで、利益を期待することができる。最初に選んだ封筒に100円が入っていた場合、もう一つの封筒には50円か200円が入っていることが推測され、どちらも等確率であると仮定すると、期待値は125円だからだ。
シーゲルの逆説
いま2つの通貨があって、片方ともう片方を交換することができる。片方の通貨を用いている投資家は、別の通貨に交換することで、利益を期待することができる。今日100円と交換した1ドルの価格は、明日には50円か200円になっていることが推測され、どちらも等確率であると仮定すると、期待値は125円だからだ。


封筒問題は、入っている金額に上限が存在するとき、その逆説性は消えてしまいます。シーゲルの逆説にも似たように、暗に仮定している事実があって、我々は何かを見落としているのでしょうか?


参考:Nalebuff(1989)*1Edlin(2002)*2、Bolle(2003)*3など