「緩和しすぎ」と噛み付く知見

オバマの支持でも予断許さぬ バーナンキ議長再任への足枷 | 金融市場異論百出 | ダイヤモンド・オンライン
http://diamond.jp/series/money_market/10086/

2003年12月9日のWSJの社説は、世界的なコモディティ価格の上昇やドルの下落はFRBの金融緩和継続に対する"黄信号"であり、GDPギャップにこだわり過ぎるバーナンキFRB幹部は(経済の)"スピード狂"だと揶揄していた。

これですね。

Speed Demons at the Fed
Some price signals were already flashing yellow in 2003.
http://online.wsj.com/article/SB124571726165339157.html

先日公開された03年12月9日のFOMC(公開市場委員会)議事録では、バーナンキが上記の社説をヤリ玉に挙げていたことが明らかになった。「現実には起きえないインフレを心配する声に過剰反応すべきではない」と、金融緩和の継続を彼は強く主張した。

これですね。

Slack Labor Markets Will Hold Down Prices
Don't worry about commodities or the exchange value of the dollar.
http://online.wsj.com/article/SB124571683373339299.html

バーナンキのこの発言を見つけたWSJの論説担当者は怒りが収まらなかったようだ。「どちらの議論が正しかったか、読者は判断できるだろう」。同紙は、国際的なマネーフローが米国内のバブルを過熱させたことや、エネルギーや食品の価格上昇が米国民を苦しめたことを指摘し、国内のコアインフレ率やGDPギャップを重視し過ぎたバーナンキの視野の狭さを批判している。

これですね。

Bernanke at the Creation
What the Fed Chairman said at the onset of the credit bubble, and the lesson for today.
http://online.wsj.com/article/SB124572415681540109.html


やるなあWSJ中央銀行に「緩和しろ」って噛み付くのは、世界中にいつでもどこでも見かけるが、「緩和しすぎじゃボケ」と噛み付くには、相当の知見が必要だよなあ。


本質的に需要と供給で決まるはずの金利は、実は需要側と供給側の人数にすこし偏りがあって、低金利で割を食う側の預金者の数は多く、つまり薄く広くギブアップがある一方で、低金利でおいしい借り手や銀行の数は少なく、相対的にロビー力がある。「景気が悪いので仕方ないんですよ、おじいちゃん」などと、悪気のまったくない真顔の、未来のある若いバンカーに言われれば、年寄りの預金者は、「そうか頑張れよ」と答えざるを得ないだろう。


でもね、その温情がバブルを生むのですよ。もっと厳しくなろうよ。「ど阿呆、金利寄こせ」って。それでいいんですよ。互いに緊張感がないと、いい仕事できませんから。