住宅ローンのリスクプレミアム

「なぜ住宅ローンは一回こっきりなのか」とid:Lhankor_MhyさんがTwitterでつぶやいていたのだが、これは興味深い。一回だけ自宅を買うためのローン金利は、実際のところ低く感じられる。それは「死ぬ気で返すから」じゃないかと反射的に思ったのだが、氏曰く*1

そういう考え方で銀行が金貸してたら、意外と日本も侮れない。
海外から見たら異次元の理屈。


ううむ。たしかにそうかもしれない。自宅を持つことに「勤勉で誠実な」日本に固有の話なのかもしれない。そういう面でグローバル化が進むと思うのなら、そこに裁定機会があるのかもしれない。


それが自宅だろうが何だろうが借金に変わりねえだろとか、愛すべき自宅だけど、払えないものは仕方ねえだろとか、そんなふうに皆が「合理的に」考えるようになるとき、投資用ローン金利はもっと低くてよいのかもしれないし、住宅ローン金利はそのリスクと比べて低すぎる可能性もある。


世界の日本化が進むと思えば、もちろん逆向きだ。サブプライムローンを発端とした金融危機を経験して、勤勉で誠実になるかもしれない今後の諸外国では、自宅のためと限定すれば金利はもっと下げられるし、投資目的の不動産ローン金利はもっと高くなければ割に合わない可能性もある。


どっち*2なんだろう。自己破産だって一回きり*3だが、そのことが与える影響は大きいだろう。自己破産しちゃったら、以降の借金は厳しくなる*4わけだが、そのことによって人生がどのくらい影響を受けるのか。


皆が借金を活用する社会では、そのことの損失は大きい。自分だけ借りられない状況はつらい。借金を悪と思ってはいけない。金の貸し借りは、大きく見れば、要するにリスクと時間の分業だからだ。

*1:http://twitter.com/lhankor_mhy/status/1657147077

*2:両方だなきっと

*3:ほんとかな

*4:他にもいろいろ厳しいけどさ