銀行をじゃんじゃんつくれ

不良債権の処理なんてものは、どうしたって間が抜けたものにならざるを得ないわけで、細かい手法は横に置いておいても、今回のガイトナー財務長官の計画発表は、メッセージとしては悪くなかったと思う。


で、上手くお茶を濁した後の本当のポイントは、未来に向けてよりよいシステムを考えることなわけだが、金融機関の設立要件について再度検討してはどうか。より詳細な情報の開示を義務付けると同時に、設立そのものに関しては、より簡単にすることが望ましいのではないかと思う。


既に手垢が付いてしまった言い方だが、護送船団方式にあっては、不良債権の処理を進めるインセンティブなどない。まったくない。皆で知らんぷり。然るに、金貸しは経済の心臓である。心臓が事実上のストライキを起こして、経済が元気でいられるわけがないじゃないか。


最も資本主義的な解決策は、言うまでもなく代わりの心臓を探すことだ。石原知事の新銀行東京の試みは、アイデアとしては悪くなかったが、インプリメンテーションが乱暴だった。残念だ。


いまみたいな不況時は、情報の開示を求めるのも、有能な人材を集めるのも、比較的容易いはずだ。既存の連中がウジウジしているのなら、相対的には資金も集めやすいだろうし、素敵な貸し出し先だって山ほど転がっている。じゃんじゃん銀行をつくらせたらいいと思う。