2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

財務省のための国債タイミング戦略 - 増税を頑張る前に

一行にまとめるなら、阿呆みたいに低金利なんだから、もっと出しとけという話だが、他方で財政の将来には、財務省の皆さんを筆頭に不安を見る向きも少なくない。なので、もちろん無駄に使っちゃ駄目で、しかし出し手と受け手とで見通しが異なるとき、裁定の…

日銀はギリシャ支店を出して、円クマを発行してはどうか

ギリシャがユーロを離脱したところで、何ひとつ素敵なことなど起きないように思われるのは、ECBは既に限りなく緩和的で、ドラクマを復活させたとしても残念ながら、それは単に預金者から購買力を奪う目的にしかなり得ないだろうからだ。細かな理屈をあれこれ…

高橋洋一氏に影響され日銀法改正を目論む議員の先生方に理解いただきたい3つのポイント

1. データは頼りにならない マクロ経済にしても、債券価格にしても何にしても、過去に何をどうしたらこうなったという「データに基づく」提案を得意気に持ち出す山師は、いつの時代も絶えないものだが、真剣にデータと仮説と戦う者なら誰でも知っているよう…

日露戦争、資金調達の戦い

よく考えてみるまでもなく、沢山の人が従事し、沢山の物資を投じる戦争には金がかかる。しばしば精神や人事のみで語られがちな歴史を、その資金調達側から描いた稀有な本は、しっかりと確認しながら読みたいのに、つい面白いので先を急いでしまう。 日露戦争…

AIJ問題を起点に企業年金について考える

もちろん既に速報性は失われていて、一方で厚生労働省も金融庁も、年金と運用について様々に再検討を重ねている最中だろうが、どこにリスクがあるのか、それを誰が負担しているのか、という例の観点から、この問題について今日は取り上げたい。何が起きたの…