日銀追加緩和からの生活防衛対策

  1. 決定会合の前後に、すこし時間をつくる
  2. 円を売って、ドルを買う準備をする
  3. 頃合いを見計らって取引を実行


だんだんと円安が価格に反映される形で、日常的な生活にかかるコストが、目に見えて上昇してきた。どうにも買い物の都度、ちょっと高い感じがして困る。先日発表されたiPhoneの値段*1には眩暈がする。なのに、まだ日銀の物価目標は達成されないらしい。たしかに家賃は上がらないが、しかし給料だって上がらない。正直やってられないが、日銀は追加緩和するのだろうか。


自分の身は、自分で守ろう。プロセスは上に書いた通りだが、取引の手段は何でもかまわない。外貨預金でも証拠金取引でも大差ない。あるいは株や不動産を買う形もあるかもしれないが、例えば中国のリスクには十分に注意したい。また例えば外国に工場を持っていたり、お客さんを持っていたりすれば、これも似たような効果を持っている。必ずしも目に見えにくいところにも、為替エクスポージャは潜んでいる。


タイミングも大切だ。追加緩和を確認するや否や突撃するのが基本形だが、考えることは皆同じなのでスタートダッシュが要求される。もちろん正月の西宮神社*2と異なるのは、実はフライングも有りのルールである。とはいえ注意は必要だ。前乗りするほど、以降の波をすべて獲ることが可能なわけだが、結局号砲は撃たれない可能性にも留意する必要がある。発表のタイミングが近づくにつれ、だんだんと趨勢が見えてくるわけだが、これに呼応する形で既に価格は反応を始めている。これが市場のルールである。


追加緩和による更なる円安を、こうして自発的なパドリングによって波乗りできたとき、生活は多少なりとも防衛されている。もちろん取引のサイズを欲張るほど、利益(あるいは損失)を生む可能性すら出てくるわけだ。そんなのは面倒だと、あるいはリスクを避けたいと、何もアクションを起こさなければ、更に購買力を奪われる可能性がある。毎日をのんびりと暮らす者から、向こう側へと購買力を移転する。これがアベノミクスの正体である。残念ながら、全員が向こう側にいることはできない。