適時開示アワード2013

当第2四半期累計期間におけるわが国経済は、アベノミクスによる景気回復を背景として景気は回復に向かいつつあるものの、その影響は大企業を中心に得られているものであり、当社のような小規模経営を行っている企業にはその恩恵を得るに至ってはおりません。

http://www.inspire-inc.co.jp/ir/fy2013/data/201311141-01-ir.pdf


いきなりのネガティブで、切実なのに吹いてしまう決算短信の冒頭である。「リストラを進めた結果、営業スタッフがいなくなり新たな営業が行えない状況」になっていたり、「資金不足から現在は手つかずの状態」だったり、涙なしには読めない訴えなわけだが、じゃなんで上場してんだよと、冷静にツッコミを入れることは、モダンな資本主義への第一歩なのだろう。ともあれ適時開示アワード2013の栄冠は、インスパイアー株式会社*1の頭上に輝くことになった。おめでとう。忘れないよ。君達の開示と姿勢は、たしかに伝わった。


適時開示アワード2013 最終結果 | Disclosure Award 2013(適時開示アワード)
http://discloawards.com/2013/results.html


もちろん第二位以降も、香ばしいというか、浮世の侘び寂びを感じさせる連中が、ひしめき合う。人類は「会社」という箱を発明して以降、劇的に社会と暮らしを進化させてきた。そして21世紀に入って、新たなステージを迎えている。僕らの誰もが、労働者であると同時に、無数の資本家であって、資金を拠出し、リスクを負担し、報告を求め、提案し議決し、そして再び未来を探る。ミクロがマクロをつくりあげるプロセスは、ある見方をすれば息を吹き込まれたばかりだが、先へと続く開示の道は、常に明るく照らされるだろう。