なぜアベノミクスは終わったのか

終わったも何も、始まっていない。日銀のアクションを政府が誇る時点で、そもそも錯誤しか感じさせないわけだが、それ以外にコメントすべき政策も見つからない。


日銀は、銀行から長い国債を大量に買い取ったが、銀行から見れば、持っていた国債が日銀への預金に変わっただけの話だ。我々の毎日に、もちろん直接の影響を与えない。相対的にサイズは小さくとも、長い貸借にかかる金利が多少でも押し下げられれば、借り手にとって魅力的かもしれないが、日銀による大量のREIT買いと合わせて、単に不動産投資を後押しした。もちろん同時に、消費税の駆け込み需要もあって住宅は伸びている。そして広義の不動産関係者が高額品を買った。それだけだ。


円安傾向は、輸入物価が高くなり生活を圧迫した分だけ、外国での商売を後押しした。株価は単に、そのことを表現している。「インフレ予想」など、あなた自身のアクションのどこにも現われないように、プロセスのどこにも見えない。言わされているだけだ。


馬鹿じゃなかろうか。余計な目眩ましはやめて、目の前の仕事に取り組もうぜ。我々は何が欲しいのかについて、考える。つまらない小細工が生まれる何千年も前から、マクロ経済の姿は何も変わっていない。