本末転倒

日銀が自己資本の増強を検討しているという。包括緩和で買ったリスク資産の損失に備えるそうだ。

日銀は昨年10月にデフレ脱却に向けて社債などの買い取りを開始し、東日本大震災後に買い取り規模を拡大した。購入資産の価格が下がれば日銀の損失が膨らむ可能性があるため、資本増強で財務の悪化を防ぐとともに、追加の金融緩和をしやすくする狙いもある。

日銀、自己資本増強を検討 資産購入でのリスクに備え :日本経済新聞


関係者の方々もご覧になっていただいているかと思いますが、皆さん薄々感づいておられるとは思うのですが、本末転倒だっての。面倒なので結論から言うけど、そんなものリスク資産ごと国庫に投げ納めとけっての。


包括緩和特別会計*1にでもすればいい*2じゃない。日銀が抱えておく理由がどこにあるのか。ついでに言えば、「非伝統的金融政策*3は財政政策に似ている」などという回りくどい説明も時々目にするが、発券銀行の目的を考えたとき、そもそもの役割分担は明らかなはずですよ。日銀の皆さん、FRBの皆さん、ECBの皆さん、BOEの皆さん、世界のセントラルバンクの皆さん、バランスシートの資産側は、リスクの最小化に努めていただきたい。そのことが、我々の決済に安定をもたらします。具体的に言えば、とりあえず政府の発行する短期証券を買っといて下さい。

*1:要するに企業の部分国営化だが

*2:ちっともよくないけど

*3:信用緩和を指す場合が多いだろう