インフレかデフレか

インフレかデフレかって、よく耳にするそういう一元論は、もうその時点で全然的外れなわけですよ。


Meltzer vs Krugman
http://gregmankiw.blogspot.com/2009/05/meltzer-vs-krugman.html

In today's NY Times, Allan worries about inflation, while Paul worries about deflation.


物価を構成する要素は、需給と信用の、どちらかといえば「二元論」なわけ。需給なんてものは制御不能で、いや正確に言えば、もちろん政府が買えば、その瞬間には多少の影響はありますよ。でも無駄。だってそのタマは税金なんだぜ?で、メルツァーが心配してるのは信用の方。日銀が心配してるのも同じ。こちらは、ぶち壊すことは簡単だけど獲得するのは難しい。日常的な意味での「信用」と同じ。


クルーグマンがしつこく言ってるのは、金利がゼロに張り付いてるとき物価が下がると、実質金利は大きくなっちゃうよって話で、これはその通りなんだけど、でもさ特効薬は存在しないんだよ。実際のところ、幸い物価の下落は比較的緩やかで、つまり実質金利も大して高いわけじゃなくて、それを理由に皆が消費や借金を控えてるのが問題だとは、少なくとも今は言えないでしょ。


需給が落ち込んでることをデフレと呼ぶとき、それは結果であって原因でないわけですよ。だから「デフレが問題だ」ってのは、「不景気が問題だ」ってのと本質的に同義で、もう馬鹿みたいなわけ。じゃ不景気の原因はどこにあるのかって?いやそれこそが問題でね、だから探しましょうよ。一緒に。