上限金利規制を強化すると、闇金融に流れるだけ

交通事故が増えれば道交法は改正される - 池尾和人
http://agora-web.jp/archives/565009.html

ヤミ金が喜ぶだけという議論をする人は、暗黙裏に、金利に全く感応的でない行動を消費者がとるということを想定していることになります。


すべての金利に対して資金需要が存在する可能性があって、つまり高金利でも借りたいひとはいて、「外の領域」に関しては、資金供給は闇にならざるを得ない。また、そういった資金供給がもし存在しなければ、そうでない場合と比べて破産者が増えるだろう。


年間30%の金利を払うのは皆阿呆だという議論は、随分と乱暴に感じられる。100万円の繋ぎ融資が数万円のコストで受けられて、そのことによって破産を免れる実例がたくさんあるだろうことは、商売人なら誰でも簡単に想像がつくことだ。


破滅的な利用をするひとが「存在する」ことは、「すべての」利用者が破滅的であることを意味しない。貸し過ぎが阿呆なのは、それが低金利だろうが同じことで、問題は返済計画や取り立ての方法にある。解決に必要なのは常に、知識と情報公開だ。詳細な報告をさせることだ。金融の闇化は、それを後退させてしまう。


そういえば最近の社債市場には、時価では「上限金利」を普通に超えてる奴が結構いましたよ。