経済学的立ち位置まとめ

大雑把で乱暴だと怒られそうだが、それがどんなジャンルであれ、精緻で繊細な分類など、役に立ったためしはない。ここではざっくり、政府の仕事と日銀の仕事、そしてそいつらがパワフルだと思うか否かで、四象限に分けてみよう。


財政政策
効果あり効果なし



効果
あり
(A)(B)
効果
なし
(C)(D)


世の圧倒的大多数は、(A)の立ち位置だろう。ケインジアンてのがこれだ。宮澤喜一さんだ。
フリードマン率いるマネタリズムってのが、(B)の立ち位置だ。政府は余計なことするなと、格好いい。
ゼロ金利下では(C)だってのが、クルーグマンだとか、最近の連中の主張だ。「非伝統的」金融政策は、財政政策に似ている。
当ブログの立場は、繰り返し述べているように、(D)だ。それは必ずしもニヒリズムではない、他にもやることは沢山ある。

政策の目的を明確に

どうしてクルーグマンてひとがこんなに人気があるのか、さっぱりわからないけど、最近流行りなのでノッてみたい。


流動性の罠」再訪〜もっと簡単に解説〜 - ハリ・セルダンになりたくて
http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20090305/p1


それが素敵かどうか*1とか、社会全体として効果があるかってのは置いておいて、中央銀行が長期債を買うとか、社債や株式を買うとかって「非伝統的」金融政策は、リスクを負担すること*2が目的なんだよね。調達に上乗せされるリスクプレミアムを押し下げること。


それは、通貨の信認を毀損することで、インフレーションを達成することが目的じゃないよ。だってさ、単に日銀が自分のクレジットを下げたいだけなら、例えば馬券買った方がずっと早いよ?

*1:もちろん僕は素敵じゃないと思ってる

*2:「信用緩和」などと呼ぶらしい

信用緩和とは何か

id:koiti_yanoさんにコメントいただいて*1、ちょっとだけ補足しようかなと。

日銀が社債を買うこと
これ、ザ・信用緩和。
日銀が馬券を買うこと
これ、信用緩和にはならない。


どちらも日銀の信用リスクは増加し、ハイパーインフレ要因にはなるけどね。両者の違いはどこにあるのかって?そりゃ、そのリスクが一体何なのかって話ですよ。とても大切な話。