半分は自分で貯めろ

震災を機に見つめ直したことがあり、新しいスタートを切るつもりだと友人が言う。同じように、これから何を自分がつくり出そうとするのか、今日も考える方々は、日本中に沢山いらっしゃるはずと思う。その実践のために、なにかひとつでも、リスク屋としての自分が贈れる助言があるかと考えたら、表題になった。金の話だ。


ベンチャー何チャラとか、起業を立ち上げとか、そういう洒落たファッション*1を身に纏いたければ、相談屋も書籍も、士業も名刺屋も、掃いて捨てるほど待ち構えてる。要するにスタートアップは一般に、それ自体がカモだ。本物のチャレンジは、馬鹿みたいに当たり前だが、金で買うものじゃない。必要な元手を、なんとか頑張って工面してくる、そいつを上手に使って、なんとかして利益をひねり出す。誰が何を潜在的に欲しているのか、必死に考える。商売なんて、もう何千年も前から、そして今後もずっと、その服を脱がせた姿は変わらない。


だからアクションはシンプルだ。まず、いくら元手が要るのか考える。洒落たキーワードを身に纏った「ビジネスプラン」の話じゃない。よく考えて、勘定するだけ。国民金融公庫の用意するフォームを埋めてみるくらいで十分だ。ただ、もちろん真剣に考える。一体いくら準備するのか。その過程で、いろいろなことが頭の中を巡る。何がお客さんに喜ばれるのか。そのために何が必要なのか。見落としているものは何か。それらのひとつひとつを、大切に考える。
http://www.jfc.go.jp/k/pfcj/pdf/kaigyou00_110401.pdf (pdf)


たぶん、そしたらもう出来てる。全部。今後の作戦も含めてさ。そして、その半分まで自分で貯めるんだ。残りは自治体のサイトを検索して、制度融資*2の枠を見つけて電話し、相談に行こう。もちろん内容にもよるが、そこまで徹底して考えた半分くらい*3なら、きっと貸してくれる。馬鹿みたいに安く。そして、こんな言い方は失礼だと承知しているが、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。ピカピカのデコレーションなスタートよりも、僕らの全員が小さく地味にチャレンジするとき、その無数の弾の中にこそ、未来のGoogleは隠れてるに決まってるさ。

*1:そういえば最近は「青年実業家」と言わなくなった

*2:http://www.zenshinhoren.or.jp/

*3:もちろん必要なら、更に交渉するんだ