2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

住宅ローンのリスクプレミアム

「なぜ住宅ローンは一回こっきりなのか」とid:Lhankor_MhyさんがTwitterでつぶやいていたのだが、これは興味深い。一回だけ自宅を買うためのローン金利は、実際のところ低く感じられる。それは「死ぬ気で返すから」じゃないかと反射的に思ったのだが、氏曰く…

銀行券ルールが表現するもの

すごく簡単な話とも思えないので、ある程度仕方ないとは思うのだが、「銀行券ルール」に対する誤解は多く、その素敵さが一般に理解されないことは残念に思う。 通貨信認の本質とは? 合理性欠く日銀「ルール」 JBpress(日本ビジネスプレス) http://jbpress.i…

新型インフルエンザの市場感応性

お前はバカかと驚かれるかもしれないが、新型インフルエンザには市場感応性がある。新型インフルエンザは、CAPMの意味でのベータが正なのだ。要するに株価と連動している。説明は簡単。感染が世界中に広がって深刻な事態になるとき、生産も消費も低下が見込…

「金融システム」が社会インフラだとはどうしても思えない

高速道路や鉄道や発電所が、乱立しちゃったら困る。それらは莫大な場所や物理的な設備を必要とするからだ。そんなところで、バリバリ競争と淘汰が行われたら、面倒も多いだろう。一方で銀行の役割なんてものは、要するに金の貸し手と借り手の間を繋ぐことだ…

全人類のワークライフバランス

ワークライフバランスってさ - Chikirinの日記 id:Chikirin:20090422 それが取引されているとき、つまりお金の意味でのワーク(つくる)とライフ(つかう)は、全人類を合計すると、大体同じはずなんだよね。ひとつのことの両側だから。もちろん個々人で見れ…

実質金利は負にならない

なんだかマンキューが気持ち悪いことを言ってる*1ので、簡潔に当ブログの見解を書いておこうと思う。タイトルの通りで、「負の実質金利」なんて、そんなもの僕は信じていない。 考えてみよう、僕ら人類が総じて、時間を無駄にしているだなんて、信じられるか…

透明が多くを助ける

米景気後退で家計に長期的な打撃=米FRB議長 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-37568420090418 金融の革新は与信獲得を容易にするために使われるべきだったとし、意図的な複雑化により金融システムを汚染した主因の一つであると受け止め…

通貨の信用リスクが下がってインフレおやじ

物価の上昇を引き起こす要因は、常に2つ混在していて、景気がよくてモノが売れて、おい値上げしちゃうぞーってのと、ジンバブエみたいに、やばいよやばいよ通貨やばいよってのとあるわけ。ジンバブエドルは、ついに使われなくなったそうだが、そういうことが…

来年の株価は

さて来年になると、添え字がひとつずつ進む。 無限に続く右辺を、今年の式と相殺*1したくなってしまう。そうすれば、今年と来年のアイテムだけが残ることになる。 来年の純資産は、今年の純資産がリスク分だけ成長したやつと、新たに生み出される利益の和だ…

最も原始的な株価モデルを考える

会社は株主のものなので、株価は「現在の純資産」と「将来の利益」の和である。 P:株価、B:純資産、E:利益で、添え字は未来を表現している。r:割引率は、無リスク金利とリスクプレミアムの和で構成されるが、当分ゼロ金利だと思えば、要するにリスク割り引き…

市場は不要か

市場は正しいかとか、株式市場は効率的かだとか、そういったことは、その存在意義とは、実際のところほとんど関係がない。買いたいものが買えた方がいい*1し、売りたいものが売れた方がいいに決まっている。 *1:もちろん僕は、例えば「人身」や「核兵器」は…

市場は正しいか

市場は正しいかとか、株式市場は効率的かだとか、そういった問いに僕はあまり興味がない。ある程度効率的で、ある程度非効率に、はじめから決まっている*1じゃないか。しかし残念ながら僕らは、その「程度」を測る物差しを持っていない。どのくらい正しいか…

無リスク金利とプレミアム

コマケー話かもしれないけど、法律に書かれる金利の多くは、「短期金利に対する超過分」で表現しておいた方がよいと思う。ゼロ金利なのに、払い忘れにトンでもない利息がついたりとか、還付の金額がやたらに多かったりとか、実際変なことになってるから。も…

上限金利規制を強化すると、闇金融に流れるだけ

交通事故が増えれば道交法は改正される - 池尾和人 http://agora-web.jp/archives/565009.html ヤミ金が喜ぶだけという議論をする人は、暗黙裏に、金利に全く感応的でない行動を消費者がとるということを想定していることになります。 すべての金利に対して…

政府の借金と日銀の借金

どうも「銀行券ルール」の意義を理解していないひとが多いようなので、簡単にまとめておく。 日銀はもっと国債を引き受けろ、という文脈で出てきてる話だと思うのだが、はい、まず国債というのは政府の借金のことです。で、銀行券と当座預金てのは、日銀の借…

市場全体の株価収益率

"Stocks for the Long Run"*1で有名な、個人的にはむしろ為替にかかるパラドックスで気になるシーゲル*2が、S&P500インデックス*3の株価収益率に妙なクレームをつけていると、マンキュー*4、id:ryozo18:20090410、id:himaginary:20090410、等で見かけたのだ…

なぜ中央銀行が不要か

言うまでもなく世界は繋がっているので、「円キャリー取引」など経由して話す必要もなく、日銀の緩和は世界全体への緩和である。飛行機に乗って移動するのには時間がかかるが、送金は一瞬だ。 したがって、需要と供給の一致する金利よりも低い水準で日銀が資…

安いときに買って、高いときに売る

本石町日記さんによれば、共産党の大門議員がシビれる指摘を繰り返している*1と言う。非伝統的手段、つまり日銀が社債買うとか、政府が株買うとか、そういうのは社会主義化だと。 本石町日記 : 「非伝統的手段に行くのは社会主義化だ」=共産党・大門先生、…

ある「はず」だった需要

池田信夫氏が、なんだか小難しく「GDPギャップを過信するな」と警告しているが、もっとシンプルかつ馬鹿馬鹿しい話だと思う。 「GDPギャップ」の過信は危険だ - 池田信夫 http://agora-web.jp/archives/557200.html GDPギャップだとか潜在GDPだとか、そうい…

景気対策としての日銀解体

銀行券ルール撤廃、かえって財政ファイナンスなどに悪影響=日銀総裁 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-37370120090407 金融政策の目的が物価安定の下での持続的な経済成長の実現ということから離れて、財政ファイナンスに焦点が絞られてく…

価格の「正しさ」

弟九十九回 市場の効率性と伝統ファイナンス・行動ファイナンス - 山崎元のホンネの投資教室 http://plaza.rakuten.co.jp/isyamazaki/diary/200904030000/ 実は、アクティブ運用が上手く行かないことに関しては、正しい価格の発見能力に関して、市場の参加者…

データの使い方

株式の収益率は、本当に債券より高いのか? “横綱”に匹敵する株式投資の勝率 http://www.toyokeizai.net/money/investment/detail_column3/AC/0bd19c850bb8a559682784dfc3a179f9/page/2/ 1年から5年で株式の収益率が高かった期間の割合は精々、60%程度、7年…

ヘッジファンドだろうが国家だろうが、タイミング戦略はとても難しい

極東ブログ: やっぱり、ガイトナー案はアンクルサムのヘッジファンドだね http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2009/04/post-2990.html で、私は、これってようするに、民間のヘッジファンドがへたれたから、今度は米国国家がヘッジファンドをや…

「雇用問題」でなく「雇用チャンス」です

若くて優秀な人材が、比較的低いコストで採用しやすい状況にあるんだから、いまは新しいビジネスを始める大チャンスなんだ。ビジネスってのは、何より人だぜ。すべてをつくるのは人だ。政府はそれを、しっかりとアピールしようよ。それが何よりも、雇用対策…